人に何かを教えるときに気をつけていること

メンターとメンティー

Amazonのアソシエイトとして、ひろは適格販売により収入を得ています。

前職で後輩の女の子にプログラミングを教えていた経験と、プログラミングスクールのメンターとして複数人にプログラミングを教えていた経験があるため、そのときに得た知見を公開します。

説明の都合上、教える人をメンター、教わる人をメンティーと呼びます。

メンティーに説明させよう

よく、一方的に説明だけして「分かった?」と聞くメンターがいますが、これは教えたうちに入りません。

また、もしその問いにメンティーが「はい!分かりました!」と答えたとしても、その会話に価値はありません。

なぜならば、メンティーが本当に理解しているかどうかはブラックボックスだからです。

なので、メンティーに何かを説明したあとは、理解度を見るために「質問をする」か、「今教えたことを自分の言葉で話してもらう」ようにします。

後者のほうが網羅的に確認できるので後者がオススメですが、前者も有効です。

メンティーによっては「つまり、これってこういうことですよね?」と、自分から理解度を確認してくることがあります。これ自体はとても良いことなのですが、注意点として、メンター側は、このようなメンティーに依存しないように気をつける必要があります。自分から理解度を確認してくるメンティーも、そうでないメンティーも、どちらも指導できるのが理想的です。

もしメンティーが説明する上で言葉に詰まったら、どこが理解できていないのかを2人で掘り下げていきます。

メンティーが一番理解しやすい伝え方を探そう

どこが理解できていないのかを特定したら、メンターはもう一度その部分について説明するわけですが、このとき、前回と同じ説明をしてはいけません。

前回の説明で伝わっていないが故にメンティーは困っているわけなので、説明の仕方を変えましょう。

別の視点から説明をするのも良いですし、例え話などで話を抽象化してみるのも良いでしょう。

メンティーがそもそも話を聞く気がなくてそうなっているのであれば問題はメンティー側にありますが、そうでなければ問題はメンター側にあると考えるべきです。

メンターには、メンティーが理解できるように伝え方を工夫する義務があります。

メンティーに一番刺さる褒め方を探そう

メンティーがうまく説明できたときにかける言葉や、そのタイミングも非常に重要です。

元ロサンゼルス・ドジャースのトミー・ラソーダ監督は、ある選手がヒットを打った際、「グレート!」「ワンダフル!」「ナイス!」のようにかける言葉を都度変えてみて、選手ごとに一番刺さる言葉(選手が一番聞きたいと思っている言葉)を見つけていくのだそうです。

また、うまくできた1時間後に、思い出したように褒められてもメンティーは嬉しくないですよね?

いいね!と感じたら、コンマ1秒でも早く褒めてあげましょう。そうでないと刺さりません。

メンターのやり方を押し付けない

突然ですが、私はITシステムの、「レイヤの異なる様々な技術の組み合わせによってできている」点がとても好きです。

例)アプリケーションによってデータが作られて、データがカプセル化されて、分割されてパケットになり、0・1の電気信号に変換されて、電波に変換されて、Wi-Fiルータに到達して、ルーティングされて、サーバに到達し、サーバアプリケーションを通り、データベースにレコードが作られて、レスポンスが返されて…。

そのため、自分がITについて勉強するときは、セキュリティ・データベース・ネットワークなどを横断的に幅広く学び、知識を紐付けていくというやり方をしていました。

そしてここからが本題ですが、私は後輩の教育を始めた当初、「自分と後輩は同じだと思い込み」「なるべく横断的に幅広く知識を教えていく」というやり方を取りました。

つまり、自分のやり方を押し付けました

例えば、Spring Boot(Javaのアプリケーションフレームワーク)でコントローラーを作って動かす際に、localhostという概念が出てきたら

「これはドメインと言って〜〜IPアドレスとは〜〜ループバックアドレスとは〜〜hostsとは〜〜DNSとは〜〜ルートDNSサーバとは〜〜フルサービスリゾルバとは〜〜Aレコードとは〜〜ゾーン転送とは〜〜」

のように、関係のある知識をまとめて教えようとしました(流石にここまで全部をいっぺんに教えてはいないため、結構盛ってますが)。

その結果、後輩は頭の中がごちゃごちゃになり、本来最優先で覚えるべきこともあまり覚えられていないという状態になりました。

進捗が芳しくないため、どう教えてもらいたいかを後輩にヒアリングし、業務上直ちに必要となる最低限の知識を教えるようにしてからは、進捗は大幅に改善しました。

ここで私は「自分と他人は異なる(興味関心や物事の進め方、能力的な面なども全て含めて)」という、当たり前ですが見落としがちな点を学び、反省するとともに、人間同士のコミュニケーションってめっちゃ面白いと感じるようになりました。

まとめ

私の考える理想のメンター像は

  • メンティーの理解度を正確に把握し
  • メンティーに最も伝わりやすい言葉で説明し
  • メンティーに最も刺さる言葉で褒めて
  • 自分のやり方を押し付けることはなく
  • ヒアリングなどにより、メンティーが最もやりやすい形を探る

ということになります。

参考になれば幸いです。