3回退職した私が、会社の退職前にやるべきことや退職後の手続きをまとめました

退職届を見て困る女性

Amazonのアソシエイトとして、ひろは適格販売により収入を得ています。

会社を退職する時って、考えるべきことが沢山あって困りますよね。

でも、意外と退職後の手続きについて、体系的にまとまっている記事って少ないです。

今回は、3社の退職経験がある私が、会社を辞めるorこれから辞めようと考えている方のために、退職前にすべきことや退職後の手続きをパッと確認できるよう、まとめてみました。

退職前にすべきこと

クレジットカード、各種ローンの契約を済ませておく

クレジットカードやローンに関して、退職後に審査に通る可能性はかなり低くなります。

クレジットカードがないと色々と不便な現代、使わなくても退職前に1枚は作っておくことをオススメします。

キャッシング枠を付けたりカードローンを契約しておくのもリスクヘッジになります。金利が馬鹿高いので借りすぎはダメですが、いざという時にお金を用意できる安心感があります。

カードローンを契約する場合は、利用限度額(利用額ではありません!)が高いほど金利が下がるため、限度額は目一杯を狙いましょう。

家賃や奨学金などの返済計画を立てる

家賃や奨学金など月次で払う必要のある固定費は事前に計算して、その分のお金を事前に用意するようにしましょう。

特に、賃貸契約のアパートやマンションでは、更新料が大きな負担となるため、事前に更新月を確認しておくようにしましょう。

家賃が高くて生活が困ることが想定される場合は、実家に戻るなどして固定費を下げることを考えましょう。もちろん、退去にも諸費用がかかるのでそこは注意してください。

家具・家電の処分はジモティーの利用がおすすめです。不用品回収業者に頼むと即日回収してくれますが、想像以上に高くなります。粗大ごみは安く済みますが、早めの予約が必要です。リサイクルショップは、価値のないものは引き取ってくれないか、処分代を請求してきます。

退去の3週間前には処分を開始するようにしないと、退去直前になって慌てふためくことになります。

企業年金、退職金の詳細を確認する

あなたの会社が厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金などの企業年金制度に加入している場合、退職時の年金の取り扱いについては、注意が必要です。年金が絡んでいるということは、国が絡んでいるということです。つまり、手続きがややこしくて分かりにくいです。

特に、確定給付企業年金や確定拠出年金は、3年以内の退職の場合、事業主が出した掛け金を全額事業主に返還しなければならない制度(事業主返還と呼びます)を採用している場合が多いです。また、退職金についても、3年以内の退職の場合は支給されない場合がほとんどです。

私が新卒で入った会社では、入社時に確定拠出年金への加入が義務付けられていました。3年未満の退職だったため、事業主返還によって掛け金は全額返還することになりましたが、2年間の運用で2万3千円ほどプラスになっていたため、脱退一時金として受け取りました。また、退職金の支給は勤続3年以上が条件だったため、受け取ることはできませんでした。

3社目の会社では事業主返還がなかったため、会社が出してくれたお金がそのまま私のものになり、今も運用しています。

持株会の詳細を確認する

持株会に加入している場合、脱退手続きと個人証券口座への株式の振替が必要になります。

上場企業の場合はインサイダー取引規制があるため、株式の売却予定がある方は取り扱いについて会社に確認しましょう。

財形貯蓄の利用有無、積立金を確認する

もし、会社で財形貯蓄制度を利用しているのであれば、一般財形であれば退職時に払い出しが可能です。もしくは2年以内であれば、転職時に移管することができます。今まで意識せずに積み立てていた場合、思わぬ収入になるかもしれませんね。

住宅貯蓄、年金貯蓄の場合は2年以内であれば転職時に移管できるそうですが、目的外解約として払い出す場合は追徴課税がなされるようなので慎重に検討すべきです。

有給休暇の残日数を確認する

通常、退職の際には、残りの有休を使い切ってから退職日を迎えるのが望ましいです。会社側の都合によって、有休を握り潰されるようなことがあってはたまりませんので、消化できないようであれば徹底的にバトルしましょう。

特定受給資格者、特定理由離職者に自身が該当していないか確認する

通常、会社を辞める際は、「自己都合退職」として処理されます。しかし、「特定受給資格者」もしくは「特定理由離職者」に該当する場合、退職後に「会社都合退職」に変更できる可能性があります。会社都合退職になると、通常は2ヶ月待たないと支給されない失業保険がすぐに支給されたり、国民健康保険の減免申請ができたり、メリットが沢山あります。

税金は容赦なく襲いかかってきます。住民税と年金と健康保険です。無職でしばらくやっていくのであれば、国保の減免はできるに越したことはないです。

残業時間が多い場合(具体的には、3ヶ月連続して月45時間以上の残業を行っている場合)は、特定受給資格者の条件を満たす可能性が高いため、必ず確認しましょう。

ちなみに私は1社目の会社を辞めた後に特定受給資格者になる予定でしたが、残業と時間外労働の違いを認識していなかったため、失敗しました。以下の記事でまとめているため、是非ご覧下さい。

会社都合で辞めたいなら、残業と時間外労働の違いを知っておこう

持病等がある場合は事前に病院に行っておく

退職時には、健保発行の保険証を会社に返却しなければなりません。会社の保険を任意継続するか、国民健康保険に加入すれば保険証を再度もらうことができますが、任意継続は保険証の発行までにラグがありますし、国民健康保険の加入は離職票を受け取った後に行うことが多いため、保険証が手元にない期間が少なからず発生します。

保険証がない場合、通常3割負担で済む医療費を全額自己負担しなければなりません。そうならないためにも、保険証が手元にあるうちに病院に行っておくことをオススメします。ちなみに、個人で健康診断を受ける場合は、保険適用外となるため、保険証の有無に関わらず全額自己負担となります。

ちなみに個人で健康診断の検査項目の一部を受けたい場合、健康診断で予約するのではなく、普通に外来で診察の一環として受けたほうが3割負担になるので安くなります。

履歴書、職務経歴書を作成する

正社員でも契約社員でも派遣でもアルバイトでも、面接時に必要になってきます。

在職中であれば自身のスキルや経歴の棚卸しもしやすいため、今のうちに作っておきましょう。

特に、職務経歴書についてはフォーマットが定まっていないため、自分に適したものを選択して記載する必要があります。クオリティが高いものを仕上げるにはそれなりに時間がかかることを覚悟しましょう。

転職エージェントなどを利用して職務経歴書の添削をしてもらうのもオススメです。

お金を貯めておく

当たり前ですが一番重要です。1ヶ月以内に再就職すると決めていたり、アルバイトや派遣で日銭を稼いでいくことを決めている場合は別ですが、無職である期間を定めずに就職活動をしたりダラダラしていると、すぐにお金がなくなります。

退職前にクレジットカードを切りまくっていると後からガッツリ請求がきますし、住民税と健康保険と年金の納税通知は容赦なく送られてきます。

退職してすぐ次の会社に入社する場合でも、締め日などの関係により、給与の支給が2ヶ月以上空くこともあります。

もちろん貯金がなくてもどうにかなるときはなりますが、最低50〜100万くらいあると安心感が違います。

精神安定剤としてお金を用意しておくことは大事です。

仕事を探しておく

これは意外かと思われるかもしれませんが、そんなに重要ではありません。

何故ならば、私は1社目を辞めたときも2社目を辞めたときも、次の仕事は探していなかったからです。1社目を辞めたときは4ヶ月間無職生活を送り、その間に転職活動を行って転職しました。2社目を辞めてフリーランスとして独立したときは仕事がなかったのですが、知り合いから仕事をもらいました。

どちらも結果論であり、私の成功体験であって再現性はありません。しかし、ここで伝えたいことは、「人生なんとかなる」ということです。日本に住んでいる限り、仕事は選ばなければいくらでもあるし、困ったら生活保護などを受けることもできます。死ななければどうとでもなるのです。

あなたがもしブラック企業に勤めていて、命の危険を感じているのであれば、すぐに会社を辞めてください。何かを考えるのはやめて、すぐに退職すべきです。今はEXITという退職代行サービスがあるため、不安ならばこれを利用するのも手です。もしくはバックレましょう。会社から電話がかかってきても、絶対に出てはいけません。自分の身を守るのが最優先です。

人脈を作っておく

人脈を作っておくと、転職や独立した際に役立ちます。

リファラル採用という、既存社員の紹介による採用方法があります。人脈があるとこれを利用した転職活動がしやすくなります。

リファラル採用では、求職者側には「知り合いの会社だから安心できる」「事前に社内の雰囲気などを知れる」などのメリットがあり、企業側にとっても「コストが低い」「社員からの紹介であるため信頼ができ、人柄や能力について把握がしやすい」などのメリットがあります。

また、紹介した社員にインセンティブが支払われることも多いので、「転職先を探しているんだけど、あなたの会社を紹介してくれない?」と知り合いにコンタクトを取ると、積極的に話にのってくれる場合が多いです。

もちろん独立したときには、人脈があるとクライアントの候補先が増えることになります。

私が3社目の会社を辞めてフリーランスになった際には、前職のコネで仕事を取ることができました。

人脈を増やすには、「知り合いに出会いの場をセッティングしてもらう」「勉強会やセミナーに参加する」などの方法があります。人が多くが集まる場では、怪しい宗教や団体に勧誘されることもあるようなので注意してください。

退職後に払わなければならない税金の一覧

住民税

前年1~12月までに稼いだ年収に対して課税され、当年6月~翌年5月にかけて支払います。

退職した月によって納付方法が大きく変わります。

6~12月に退職した場合:退職月の翌月以降の納付を自分で行います(普通徴収)。転職した場合は、転職先の会社で今までと同じく天引き(特別徴収)にしてもらえます。

1月~4月に退職した場合:退職月から5月までの納付分を一括して天引きします。給与から一気に引かれますが、その代わり6月までは何もしないで済みます。

5月に退職した場合:通常通り、退職月の納付分のみ天引きされます。6月以降は課税対象年度が変わります。退職してすぐ、6月中に納税通知書が届くと思いますのでお金を用意しておきましょう。

会社員であれば特別徴収として毎月の給与から天引きされますが、無職の場合は基本的に、6月・8月・10月・1月の年4回に分けて支払う必要があります。3ヶ月分をまとめて支払う必要がある点に注意してください。

健康保険

退職時に、会社の保険を任意継続するか、国民健康保険に加入するかを選べます。任意継続の場合は退職日の翌日から20日以内、国民健康保険への切り替えの場合は退職日の翌日から14日以内に手続きをする必要があります。

一般的には、国民健康保険に加入する人が多いようです。会社都合退職であれば減免申請ができるため、国民健康保険がオススメです(健保の福利厚生などを継続したい場合は任意継続となります)。保険料も、基本的には国民健康保険の方が安く済みます。

私は1回目の退職では国民健康保険、2回目の退職では任意継続(ITS)、3回目の退職では任意継続(TJK)を選びました。任意継続は保険料が割高になるため、大きなメリットがなければ国民健康保険を選ぶのが良いでしょう。私の場合、2回目については、任意継続することで健保付帯のゴールドカード(コーポレートカード)を失わずに済むのが任意継続を選んだ理由です。任意継続の方が国民健康保険より1万円高かったです。3回目については、任意継続の保険料が上限値に達しており、国民健康保険よりも保険料が安くなったため、任意継続を選びました。

国民健康保険: 前年1~12月までに稼いだ年収や、世帯あたりの国民健康保険加入者数、介護保険加入者数に応じて課税され、当年6月~翌年3月の10回に分けて支払います。

任意継続: 継続した健康保険により保険料が異なります。

基本的には、加入手続きをした翌月の中旬に納税通知書が届き、加入月から翌年3月までの税金を支払います。(自治体により異なります)

年金

退職時には、厚生年金から国民年金に切り替える必要があります。退職日の翌日から14日以内に手続きをする必要があります。

国民年金の納付額は住民税や健康保険とは違い、加入者全員が同じ金額を支払います(一括納付で多少安くなります)。なお、令和4年度の保険料は1ヶ月16,590円です。

国民年金は税金制度の中では最もゆるい制度で、自己都合退職だとしても、無職であることを証明できれば免除申請をすることができます。実際には免除申請を出しても「猶予」で承認されるのが一般的ですが、国民年金でいう猶予は支払い義務がないため、実質免除みたいなものです。以下に詳細を記載しておきます。

免除:保険料を支払う必要がない。受給資格期間へ参入される。将来の年金にも一部課金される(課金額は免除割合により変化)。追納もできる。(過去10年まで)

猶予:保険料を支払う必要がない。受給資格期間へ参入される。将来の年金には一切課金されない。追納もできる。(過去10年まで)

未納・滞納:保険料を支払わなかった。受給資格期間へ参入されない。将来の年金には一切課金されない。後納ができる。(平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、過去5年分まで)

ちなみに、年金の免除(猶予)は、毎年7月を基準に、基本1年単位で有効になります。私が最初の会社を辞めたときは3月末退職だったため、退職直後の猶予期間は4~6月の3ヶ月分だけでした。7月に入ると普通に年金の支払い通知書が届いてしまったため、また市役所に行って申請をすることで7月~翌年6月までの1年間が猶予期間として承認されました。

退職のタイミングが5月末とかだと非常に面倒ですね。退職→今年度6月分の免除申請→来年度7月分以降の免除申請といった形で2回免除の申請が必要になるので・・・。

退職後の手続き

会社を退職する

健康保険証や社員証、PCなど、会社からの貸与物を返却して退職します。

私が最初の会社を辞めたときは、このタイミングで会社側から「年金手帳」「厚生年金基金加入者証」「雇用保険被保険者証」を手渡しで受け取りました。

離職票が郵送で送られてくる

通常、退職から10日以内に会社から郵送で送られてきます。私の場合は、退職日から7日後(4月7日)に到着しました。

離職票がないと年金の免除申請や失業保険の手続きを進められないので、10日待っても来ない場合は会社に電話しましょう。

市役所に行く

私の場合は、退職日から11日後(4月11日)に行きました。

・国民年金の加入手続き+免除申請

・国民健康保険の加入手続き

の2つを行いました。

結構時間かかるのかなーと思ってましたが、どっちも合わせて1時間以内に終わりました。離職票を見せると話が早かったですね。

国民健康保険の保険証は後日郵送で送られてくるものだと思ってましたが、シールのようなペラペラな保険証を、職員の人がその場で発行してくれました。社会保険加入時はしっかりとしたカード型の保険証だったので、ペラペラすぎて驚きました。

ハローワークに行く

市役所で上記の手続きを行い、そのままハローワークへ向かいました。

・ハローワークへの求職登録

・失業保険の受給手続き

の2つを行いました。

失業保険の受給には「積極的に就職しようとする意志があること」「いつでも就職できる状態にあること」「積極的に仕事を探してはいるものの、現在就職してないこと」という条件があるため、あまり働く気がなくても、とりあえずそれっぽく振る舞わないと門前払いされます。

なお、私の場合はこの段階で、特定受給資格者として申請するために、勤怠表を印刷した紙(1年分)と給与明細(1年分)を持っていきました。無駄な努力でしたが…。

会社都合で辞めたいなら、残業と時間外労働の違いを知っておこう

失業保険の受給手続きをすると、「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」「失業認定申告書」がもらえます。初回失業認定日は○月○日だから、その前に△月△日の雇用保険説明会に出てねと言われるため、とりあえずその日は帰ります。

雇用保険説明会に出る

指定された4月25日に雇用保険説明会に行きます。つまらない話を2時間くらい聞かされます。

そして、雇用保険説明会に出ると「雇用保険受給資格者証」という大変ありがたいものをもらえます。これでやっと失業保険受給の許可が下ります。

初回失業認定を受ける

指定された5月9日。ハローワークに行き、「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」を提出して、仕事してないですよアピールをします。

次回の失業認定日は8月1日ですよー、それまでに3回の求職活動実績が必要ですよーという説明を受け、新しい失業認定申告書を受け取って終わりました。

また、私は再就職手当をもらう予定があったので、再就職手当について職員の人に聞きに行きました。

・「給付制限中の就職なら、総給付額の7割がもらえるという認識でいいんですよね?」

→ はい。

・「ぼくの場合、4月11日に手続きして4月18日から給付制限なんですけど、ハローワーク以外の紹介で就職先を決める場合は、入社日が5月18日以降じゃないと支給要件満たさないですよね?」

→ はい。

という感じです。再就職手当は給付制限を待たなくてももらえるのが強いですね。(支給に1ヶ月以上かかる場合もあるようですが)

再就職手当については、下記の記事でまとめているため参考にしてください。

再就職手当を受け取るまでの手続きや支給日程をまとめました

また、就業促進定着手当というものもあり、こちらは再就職手当と組み合わせて使えるため非常にオススメなので調べてみてください。

初めての退職時には色々と考えなければならないことも多いですが、頑張っていきましょう!